「もうすぐ1歳半なのに、ことばがなかなか出てこない…」「同じ月齢の子はたくさんしゃべっているのに、うちの子は大丈夫?」
そんな不安を抱えているパパ・ママへ。まずお伝えしたいのは、言語発達には大きな個人差があるということです。焦る必要はありませんが、正しい目安を知って、家庭でできる関わりを始めることが大切です。
この記事では、こども家庭庁のガイドライン・厚生労働省の発育調査・日本小児科学会の情報をもとに、1歳半の言語発達の目安と、家庭でできる具体的な関わり方、そして相談が必要なサインをわかりやすくまとめました。
- 1歳半の言語発達の公的な目安(単語数・指さしなど)
- 月齢別の言語発達チェックリスト
- 家庭でできる具体的な関わり方
- 小児科・発達支援センターに相談すべきサイン
1歳半の言語発達の目安(公的ガイドラインより)
厚生労働省の「乳幼児身体発育調査」によると、1歳5〜6か月時点で約87%、1歳6〜7か月時点で約94%の子どもが「1語以上の単語を話す」とされています。
また、1歳半健診(1歳6か月児健康診査)では、自治体によって多少の差はありますが、主に以下の点が確認されます:
- 意味のある単語(有意語)が1〜数語以上出ているか
- 指さし(欲しいもの・発見・共感)ができるか
- 簡単な言葉のやりとり(「ちょうだい」「どれ?」など)に応じられるか
- 大人の言葉の理解(「おいで」「ダメ」などを理解する)があるか
意味をもった言葉のことです。「まんま(ごはん)」「わんわん(犬)」「ねんね(寝ること)」のように、特定の意味と結びついた言葉を指します。「あー」「うー」といった喃語(なんご)とは区別されます。
月齢別 言語発達チェックリスト(12〜24か月)
以下は、こども家庭庁・日本小児科学会の情報(こども家庭庁 母子保健施策、日本小児科学会)をもとにした目安です。個人差があるため、すべて満たさなくても心配しすぎる必要はありません。
| 月齢 | 言語理解 | 発語・表現 | コミュニケーション |
|---|---|---|---|
| 12か月ごろ | 「ダメ」「バイバイ」などを理解する | 初めての有意語が出始める(「まんま」など) | 名前を呼ばれると振り向く。指さしが出始める |
| 15か月ごろ | 簡単な指示(「持ってきて」等)を理解する | 有意語が3〜5語程度 | 要求の指さしをする。「うん/ブー」で意思表示 |
| 18か月ごろ(1歳半健診) | 身体の部位を指さしできる。2語以上の指示を理解 | 有意語が5〜10語以上が目安(個人差大) | 指さしが豊か(要求・発見・共感)。絵本の絵を指さす |
| 21か月ごろ | 「大きい・小さい」などの形容詞を理解し始める | 有意語が増え、2語文が出始める(「わんわん、来た」等) | 「何これ?」と大人の関心を引く。ごっこ遊びが始まる |
| 24か月(2歳)ごろ | 2語以上の文を理解。簡単な質問に答え始める | 2語文が安定して出る(「まま、いた」等) | 「なに?」「どこ?」と質問するようになる |
※あくまで目安です。発育には個人差があります。気になることがあれば、かかりつけの小児科や発達支援センターにご相談ください。
「言葉が遅い」原因は何? よくある理由を整理
言語発達がゆっくりな理由はさまざまです。多くの場合、以下のいずれかが背景にあります。
1. 理解先行型:わかっているが話す前の段階
「指示はよく理解できていて、指さしもする。でも言葉が出てこない」というケースです。言語理解が先行していて、発語の準備中という段階のお子さんも多くいます。このタイプはもう少し様子を見ることが多いです。
2. 聴こえの問題(聴力)
周囲の音に対する反応が薄い、名前を呼んでも振り向かないことが多い場合は、聴力に問題がある可能性があります。1歳半健診では聴力のチェックも行われますが、心配であれば早めに相談しましょう。
3. 発達の特性
自閉スペクトラム症(ASD)や言語発達遅滞などの発達特性が背景にある場合もあります。早めに気づき、専門家とともに関わり方を工夫することで、その子に合った発達を支援できます。
4. 環境の影響
語りかけの機会が少ない、テレビやスマートフォンの視聴時間が長い、といった環境要因が影響することもあります。
原因はひとつではなく、複数の要素が重なることもあります。「うちの子は〇〇だから」と決めつけず、専門家に相談することで適切なサポートが見つかります。
家庭でできる具体的な関わり方10選
言語発達は、日常の親子のやりとりの積み重ねで育まれます。以下の10の関わり方を、無理なく取り入れてみてください。
| # | 関わり方 | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 子どもの「言いたいこと」を言葉にしてあげる | 「ワンワンいた!」と子どもが指をさしたら「そうだね、ワンワンがいたね」と返す |
| 2 | 短い言葉でゆっくり話す | 長い文章より「アンパンマン、あった!」のような短い表現を心がける |
| 3 | 絵本の読み聞かせを毎日続ける | 読むより「これ何?」「ここに〇〇がいるね」と一緒に見ながら会話するのが効果的 |
| 4 | 指さしに必ず反応する | 指さしは言葉の前段階。「そうだね!」と応じることで発語への意欲につながる |
| 5 | 「選ぶ」場面を作る | 「りんごとバナナ、どっちがいい?」と2択を提示。選ぶ行為が言語の理解を促す |
| 6 | 日常の行動を実況中継する | 「おふろに入るよ」「くつ、はくよ」と動作に合わせて言葉をかける |
| 7 | 歌やわらべうたを一緒に楽しむ | リズムのある言葉は聞き取りやすく、音の模倣を促しやすい |
| 8 | ごっこ遊び・模倣遊びを楽しむ | 「どうぞ」「ありがとう」のやりとりは言語のやりとりの基礎になる |
| 9 | 要求がかなう前に少し待つ | すぐに先読みしすぎると発語の機会が減る。「どうしたい?」と促す余白を作る |
| 10 | テレビ・動画は「一緒に見て話す」に切り替える | 一方的な視聴よりも、内容について「これ何?」と会話しながら見る方が発語を促しやすい |
知育玩具・サブスクの活用も選択肢のひとつ
おもちゃを通じた親子の対話も言語発達に効果的です。月齢・発達に合ったおもちゃをプロが選んで届けてくれる「Cha Cha Cha(知育玩具サブスク)」のようなサービスを活用するのもひとつの方法です。
また、1歳向けの知育玩具については、1歳の知育玩具おすすめランキングもあわせてご覧ください。
こんな場合は専門家に相談を(受診・相談の目安)
1歳半(18か月)時点での相談の目安
- 意味のある単語(有意語)が1語も出ていない
- 指さし(要求・発見・共感のどれも)がない、またはほとんど見られない
- 名前を呼んでも振り向かないことが多い
- 大人の言葉をまったく理解していない様子がある
- 周囲の音に対する反応が薄い(聴力が心配)
- 目が合いにくい、人への関心が薄い
2歳前後での相談の目安
- 有意語が10語以下で増えていない
- 2語文(「まま、いた」「もっと、ちょうだい」等)がまったく出ない
- 以前できていた言葉が突然なくなった
1歳半健診で「もう少し様子を見ましょう」と言われても、パパ・ママが引き続き気になる場合は、2〜3か月後に再度相談することをためらわないでください。早めの相談が、早めのサポートにつながります。
相談できる窓口
- かかりつけの小児科(まずはここへ)
- 各市区町村の発達相談窓口・保健センター
- 児童発達支援センター(療育施設)
- こども家庭庁の相談情報:こども家庭庁 母子保健施策
モンテッソーリ的な視点:「言葉の敏感期」を活かす
1〜2歳は、言語の発達にとって「敏感期」と呼ばれる大切な時期です。無理に教えようとするより、子どもが言葉に興味を持てる環境を作ることが大切です。モンテッソーリ教育を家庭で実践する方法も参考になるかもしれません。
言葉と並行して「こどもちゃれんじ」を活用する家庭も
言葉や発達を促す働きかけとして、教育教材を取り入れる家庭も増えています。こどもちゃれんじ0歳から始めるべき?効果と口コミでは、教材の使い方と発達支援の観点もまとめています。
まとめ:「比べない・焦らない・相談する」が大切
- 1歳半の言語発達の目安は「有意語が5〜10語以上」「指さしが豊か」だが、個人差が非常に大きい
- 言葉が遅い場合でも、理解力があり指さしができていれば様子を見ることが多い
- 家庭での関わり(語りかけ・絵本・歌・遊び)が言語発達を後押しする
- 「有意語が1語も出ない」「指さしがない」などの場合は、1歳半健診や小児科への相談を
- 「心配だな」と感じたら、ひとりで抱え込まず、保健センターや小児科に気軽に相談を
本記事は上記公的機関の情報をもとに作成しています。医療的な判断・診断は行っておりません。気になる症状がある場合は必ずかかりつけの小児科にご相談ください。

