手足口病になると、口の中の水疱や潰瘍が痛くて、いつも食べているものが食べられなくなるお子さんが多くいます。「何を食べさせればいい?」「水分がとれない…脱水が心配」と不安になるパパ・ママも多いのではないでしょうか。
この記事では、手足口病で子どもがご飯を食べないときの原因と、年齢別の食べやすい食事・飲み物の具体例、食べさせるときの工夫、脱水サインの見分け方、そして受診すべき目安を詳しく解説します。
2026年は例年より早いペースで手足口病の報告数が増加しており(参考:国立感染症研究所 感染症発生動向調査 2026年第23週)、夏に向けてさらに注意が必要とされています。食事・ケアの知識を事前に確認しておきましょう。
※この記事は医療行為を提案するものではありません。お子さんの症状が心配なときは、かかりつけの小児科・医療機関へご相談ください。
まず知っておきたい結論:口の痛みが食べられない最大の原因
手足口病で食事がとれない一番の理由は、口の中(舌・のど・歯ぐき周辺)にできた水疱や潰瘍の痛みです。通常の食事は刺激になるため、やわらかく、酸味・塩分・熱さの少ない食べ物を選ぶことが大切とされています。
「食べない」ことより「飲まない」ことのほうが危険です。まず水分補給を確保したうえで、食べられるものを少しずつ与えることが基本的な考え方です。
手足口病で食べられなくなる理由
手足口病の症状は主に以下の3つです(参考:国立成育医療研究センター)。
- 手のひら・足の裏・口の中(舌・歯ぐき・のどの奥)に水疱ができる
- 38℃前後の発熱が2〜3日続くことがある
- のどの痛み・倦怠感・食欲不振
なかでも口の中の水疱(口腔内病変)が食欲低下の主な原因とされています。水疱が破れて潰瘍になると、食事のたびに強い痛みを感じるため、食べることを嫌がるお子さんが多いようです。
また、発熱によるだるさや食欲低下も重なることがあります。多くの場合、水疱・潰瘍は3〜7日程度で自然に回復することが多いとされていますが、経過はお子さんによって異なります(参考:厚生労働省)。
「なぜ食べないのか」がわかると、少し気持ちが楽になりませんか。お口が痛くて食べられないのは、わがままではなく症状そのものです。無理に食べさせようとせず、まず「痛みを和らげること」「水分をとること」を優先しましょう。
年齢別・症状別 食べやすい食事一覧表
以下の表は一般的な目安です。お子さんの体調や口の中の状態に応じて調整してください。
| 食べやすいもの(おすすめ) | 避けたほうがよいもの | |
|---|---|---|
| 0〜1歳(離乳食期) |
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|
| 1〜3歳(幼児期) |
|
|
食べられなくても、水分さえとれていれば焦る必要はありません。まず飲み物を確保し、食べ物は食欲に応じて無理なく進めましょう。
なお、1歳以降でご飯を食べない悩みは手足口病以外でも多くのご家庭が経験します。回復後の食欲低下が続く場合は、1歳児がご飯を食べない!イライラしないための関わり方もご参考ください。
食べさせるときの5つの工夫
1. 温度を「人肌以下」にする
熱いものは口の中の潰瘍に刺激になるため、常温より少し冷ましたものが食べやすいとされています。「冷たすぎる」とのどに刺激になる場合もあるので、冷蔵庫から出して5〜10分置いてから与えるのがおすすめです。特に0〜1歳の場合は冷たすぎる食べ物を嫌がることもあるため、様子を見ながら調整してください。
2. 1回量を少なく・回数を増やす
一度にたくさん食べさせようとすると疲れてしまったり、口が痛くて途中でやめてしまうことがあります。1回量を少なめにして、食べられそうなときに少しずつ与える方法が試されています。「食べなかった」ではなく「少し食べられた」を積み重ねるイメージで対応しましょう。
3. スプーンや食器を工夫する
口の端や歯ぐきに当たると痛いため、浅めのスプーン・シリコン素材のスプーンが使いやすいことがあります。ストローは口の中に水疱がある場合、当たって痛いことがあります。コップ飲みや哺乳瓶のほうが飲みやすいケースもあります。
4. 食べないことを責めない・無理強いしない
「食べなさい」と無理強いすると、口の痛みが増したり、食事自体を嫌がるようになるお子さんもいます。体が回復すれば食欲は戻ることが多いため、水分補給を優先しながら「食べられそうなときだけ」という考え方で対応するのも一つの方法です。
5. 食べられたことを小さく褒める
「ひとくち食べられたね」「飲めたね」と小さな成功を声に出して褒めると、お子さんのストレスが和らぐことがあります。食事の時間を楽しく保つことも、回復の支えになるとされています。
飲み物の選び方と与え方
手足口病のとき、最も心配なのは脱水です。食事がとれなくてもこまめな水分補給が重要とされています。
おすすめの飲み物
- 経口補水液(OS-1など):電解質と糖分のバランスが脱水予防に適しているとされています。かかりつけ医に相談のうえ活用しましょう
- スポーツドリンク(薄めたもの):そのままだと糖分・塩分が多い場合があるため、水で2倍程度に薄める方法もあります
- 麦茶・ほうじ茶:カフェインが少なく与えやすいとされています
- 母乳・育児用ミルク:0〜1歳の場合はこれを優先。飲める量が減っていても、飲めるなら継続しましょう
- 冷ましたゼリー飲料・ゼリー:飲み込みやすく水分補給に使えることがあります
避けたほうがよい飲み物
- 柑橘系のジュース(レモン・オレンジ等):酸味が口の傷に染みることがあります
- 炭酸飲料:刺激になることがあります
- 牛乳(大量):消化に負担がかかることがあります
与え方のコツ
1時間に数回、少量ずつ飲ませることが推奨されています。一度にたくさん飲ませると吐いてしまうことがあるため、「小さじ1〜2杯ずつ」の目安で始め、様子を見ながら増やしていく方法も試されています。
脱水サインチェックリスト
以下のサインが見られるときは、脱水が進んでいる可能性があります。定期的にチェックして、当てはまる項目が多い場合は早めにかかりつけ医・小児科を受診してください。
- ☐ おしっこの回数が減っている(1歳以下:6時間以上出ていない、1歳以上:8時間以上出ていない)
- ☐ おしっこの色が濃い黄色・茶色になっている
- ☐ 口の中が乾いている・唾液がほとんど出ていない
- ☐ 目がくぼんでいる・涙が出ない
- ☐ 皮膚をつまんでもすぐに戻らない(皮膚のツルゴール低下)
- ☐ ぐったりしている・ぼんやりしている・ぐずりが激しい
- ☐ 泣いているのに涙が出ない
- ☐ 24時間以上、ほとんど何も飲めていない
- ☐ 体重が急激に減っている(目安:体重の5%以上)
これらのサインが1〜2つ以上見られる場合は、早めにかかりつけ医または小児科にご相談ください。赤ちゃんの脱水全般についてはこちらも参考にしてください:赤ちゃんの下痢が続くときの受診目安|見逃したくない脱水サイン
病院へ行く目安(受診すべき症状)
手足口病は多くの場合、自然に回復するとされています。しかし、以下の症状がある場合は早めに小児科を受診することが推奨されています(参考:国立成育医療研究センター・厚生労働省)。
- 39℃以上の発熱が3日以上続いている
- 食事・水分が2日以上ほとんどとれない
- 脱水サインが1〜2つ以上当てはまる
- ぐったりして反応が薄い・意識がぼんやりしている
- けいれんを起こした・首が硬い(髄膜炎の可能性)
- 急に嘔吐を繰り返している
- 症状が悪化し続けている
- 新生児・月齢3か月未満で発熱がある
「様子を見ていいか迷う」という場合は、遠慮なくかかりつけ医・小児科に電話で相談することをおすすめします。夜間・休日は各自治体の「小児救急電話相談(#8000)」も活用できます。
保育園の登園基準で悩む場合は、子どもの熱は何度から保育園を休む?登園基準と発熱対応ガイドもご参照ください。
自宅ケアのポイント
安静と休養を最優先に
手足口病の特効薬や特別な治療はなく、基本は安静・休養と水分補給とされています。無理に登園・外出させず、ゆっくり休ませましょう。
発熱への対応
38.5℃以上で元気がない・機嫌が著しく悪いなどの場合は、かかりつけ医から処方された解熱剤(アセトアミノフェン系)を使用することがあります。市販薬の使用は事前に医師・薬剤師に相談することをおすすめします。
赤ちゃんの発熱対応については赤ちゃんの風邪 症状別の対処法まとめもご参考ください。
感染予防のポイント
手足口病は、便・水疱・飛沫感染など複数の経路で感染するとされています。以下が感染対策として推奨されています。
- こまめな手洗い(石鹸で30秒以上、特に食前・おむつ替え後)
- タオル・コップの共用を避ける
- おむつ替え後の手洗いを徹底する
- 症状が消えた後もしばらくは便中にウイルスが残ることがある
登園・登校の目安
保育園・幼稚園への登園は、「発熱が下がり、口の水疱が落ち着いて食事がとれるようになった段階」が一般的な目安とされています。施設のルールに従い、医師に確認することをおすすめします。
よくある質問
Q. 手足口病でアイスクリームを食べさせてもいいですか?
A. 少量なら問題になりにくいとされています。冷たいものが口の痛みを和らげることもあります。ただし砂糖の摂りすぎや、冷たすぎてのどを刺激しないよう、少量を目安にしてください。
Q. 何日も食べない場合、栄養が心配です
A. 手足口病の経過は通常3〜7日程度とされています。その間の栄養不足は回復後に取り戻せることが多いです。まず水分を確保し、食べられるものを少しずつ与えましょう。2日以上ほとんど何も食べられない・水分もとれない場合は小児科を受診することをおすすめします。
Q. 離乳食はどのくらい進度を戻すべきですか?
A. 体調が回復するまでは、1〜2段階前の形状に戻すことが多いようです。たとえば後期(かみかみ期)のお子さんなら、中期(もぐもぐ期)程度のやわらかさに戻す方法が試されています。回復後は体調に合わせて徐々に元の進度に戻してください。
離乳食全般の悩みについては離乳食を食べない7ヶ月|原因と解決策まとめも参考になります。
まとめ
手足口病で子どもがご飯を食べないときのポイントをまとめます。
- 口の中の水疱・潰瘍の痛みが食べられない主な原因とされています
- やわらかく、冷まして、酸味・塩分の少ない食事を選びましょう(プリン・おかゆ・ゼリー・豆腐など)
- 食事より水分補給を最優先に。経口補水液・薄めたスポーツドリンクが推奨されています
- 1回量を少なく・回数を増やす・無理強いしないことが大切とされています
- 脱水サインのチェックリストを定期的に確認しましょう
- 39℃以上が3日以上・水分が2日以上とれない・ぐったりしている場合は早めに受診を
「心配」「いつもと様子が違う」と感じたときは、迷わずかかりつけの小児科・医療機関にご相談ください。
【参考資料】
・国立成育医療研究センター「手足口病」
・厚生労働省「手足口病について」
・国立感染症研究所 感染症発生動向調査 2026年第23週(手足口病)
【免責事項】この記事は一般的な情報提供を目的としており、医療行為・医学的診断・治療の提案を目的とするものではありません。お子さんの具体的な症状・体調については、必ずかかりつけ医または専門の医療機関にご相談ください。記事内の情報は執筆時点(2026年6月)のものです。最新情報については各公的機関の情報をご確認ください。

