離乳食でえずく・おえっとなるのはなぜ?6〜7ヶ月の原因と受診の目安

離乳食・幼児食

離乳食でえずく・おえっとなるのを見ると、「のどに詰まったのでは」「無理をさせているのかな」と心配になりますよね。6〜7ヶ月ごろは、口の中の使い方がちょうど切り替わる時期で、えずきが増えるお子さんは少なくありません。この記事では、えずきと嘔吐の見分け方、月齢別に多い5つの原因、家庭でできる調整のしかた、そして受診を考えたいサインまでを整理しました。

先に大切なことをお伝えすると、えずき自体は「口に入ったものが自分の飲み込める状態かどうかを確かめている」発達の途中の反応であることが多く、そのすべてが異常というわけではありません。ただし、顔色が変わる・呼吸が苦しそう・声が出ないといった様子があるときは窒息の可能性があり、対応がまったく異なります。判断の分かれ目を具体的に見ていきましょう。

「えずく」「おえっとなる」とはどんな状態?嘔吐との違い

まず、同じように見える3つの状態を切り分けておくと、その後の対応を決めやすくなります。

えずき・嘔吐・窒息の見分け方

状態 見た目の様子 声・呼吸 基本の対応
えずき(おえっ) 口を大きく開け、舌を前に突き出す。中身は出ないか少し出る程度 声は出る。呼吸もできている あわてず見守る。落ち着いたら食事量・形態を調整
嘔吐 食べたものがまとまって出る。えずきの後に続くことも 声は出る いったん食事を中断し、水分を少量ずつ。繰り返すなら受診
窒息のおそれ 顔色が赤黒く・青白くなる。手足をばたつかせる、急に静かになる 声が出ない・呼吸が苦しそう ただちに背部叩打法などの応急処置と119番

ポイントは「声が出ているかどうか」です。えずいていても泣き声や「うー」という声が出ていれば、気道は確保されています。逆に急に音が消えて苦しそうな様子があるときは、えずきではなく窒息を疑ってすぐに行動してください。

6〜7ヶ月にえずきが増えやすい理由

離乳食の進め方の目安では、離乳初期(生後5〜6か月頃)の調理形態は「なめらかにすりつぶした状態(ポタージュ状)」、離乳中期(生後7〜8か月頃)は「舌でつぶせるかたさ(豆腐くらい)」とされています(目黒区「離乳の進め方の目安」/厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」に基づく自治体資料)。

つまり6〜7ヶ月は、「飲み込むだけ」から「舌でつぶしてから飲み込む」へ切り替わる時期にあたります。まだ舌でつぶす動きが安定していないところに粒のあるものが入ると、「これは飲み込めない」と体が判断してえずきが起こります。えずきが増えたということは、逆に言えば口の感覚が育ってきたサインでもあるのです。

なお、同じ資料には「ここに示す事項は、あくまでも目安であり、子どもの食欲や成長・発達の状況に応じて調整します」と明記されています。月齢どおりに進めることより、お子さんの様子に合わせることが優先されます。全体の流れを確認したいときは離乳食の進め方|月齢別スケジュール早見表と1日の回数・量の目安もあわせてご覧ください。

えずく5つの原因|あてはまるものを探してみよう

原因1:食材の大きさ・かたさが今の段階に合っていない

もっとも多いのがこれです。とろみのある状態に慣れた口に、急に粒感のあるものが入るとえずきやすくなります。とくにペースト状から「粗つぶし」へ進めた直後に増える傾向があります。にんじんやかぼちゃなどの繊維が残りやすい野菜、ぱさつく鶏ささみ、口の中でばらける白身魚は、水分やとろみが足りないとえずきの引き金になります。

原因2:一口の量が多い・スプーンを奥まで入れている

スプーンを口の奥に入れると、舌の奥の敏感な部分に触れてえずきが誘発されます。スプーンは下唇の上に軽く乗せ、赤ちゃんが自分から上唇で取り込むのを待つのが基本です。大人が奥へ運んでしまうと、量の調整も本人ができなくなります。

原因3:ペースが速い・空腹すぎる

次々に運ばれると、飲み込みきる前に次の一口が入ってしまいます。また空腹が強すぎると急いで飲み込もうとして、かえってむせやすくなります。授乳から間を空けすぎたタイミングは避けたほうが落ち着いて食べられます。

原因4:姿勢が合っていない

背中が後ろに倒れていたり、足がぶらついて体が安定していないと、飲み込みがうまくいきません。あごを軽く引き、足の裏が床や台につく姿勢が理想です。イスが大きすぎる場合は、背中や脇にタオルを挟んで体を支えてあげましょう。

原因5:体調不良・鼻づまり

鼻がつまっていると、口で呼吸しながら食べることになり、飲み込みのリズムが乱れてえずきやすくなります。風邪ぎみのとき、のどの痛みがあるときも同様です。ふだんはえずかないのに急に増えたときは、体調の変化を疑ってみてください。

【編集部チェック表】うちの子はどのタイプ?原因の見分け方

「どの原因なのか分からない」というときのために、観察したポイントから原因を絞り込める表をまとめました。食事のときの様子を思い出しながら、あてはまる行を探してみてください。

こんな様子なら 考えられる原因 まず試すこと
特定の食材(肉・魚・葉物)のときだけえずく 原因1:形態が合っていない その食材だけ1段階なめらかに戻し、とろみを足す
食べ始めの1〜2口は平気で、途中から増える 原因3:ペースが速い 一口ごとに5秒待つ。声かけで間をつくる
食べ始めの1口目からえずく 原因2:スプーンの入れ方/原因5:体調 スプーンを浅く。鼻づまり・機嫌もあわせて確認
お皿を見ただけで嫌がる・口を閉じる 過去のえずき体験による警戒 数日その食材を休み、好きな味に混ぜて再開
後半になるほどえずく・のけぞる 原因4:姿勢の崩れ/満腹 座り直させる。無理に完食させず切り上げる
今までなかったのに急に毎回えずく 原因5:体調不良 発熱・鼻水・機嫌を確認。続くなら小児科へ

1回の食事で原因をひとつに決めきる必要はありません。「食材を戻す」「ペースを落とす」を2〜3日試して変化を見るという進め方で十分です。

今日から試せる|えずきを減らす3ステップ

ステップ1:まず1段階戻す

えずきが続くときは、進めるのをいったん止めて、前の形態に戻します。粗つぶしでえずくならペースト状へ、水分が少ないと感じるならだしやおかゆを足してのばします。戻すことは失敗ではなく、正しい調整です。数日〜2週間ほど同じ形態で慣らしてから、また少しずつ粒を残していきましょう。

ステップ2:スプーン・姿勢・ペースを整える

形態を変えなくても、この3点を整えるだけで落ち着くことがよくあります。スプーンは浅く、姿勢はあごを引いて足を安定させ、一口ごとに間をとる。食事の環境を静かにして、テレビを消すのも有効です。

ステップ3:窒息リスクのある食材を避ける

えずきとは別に、そもそも与えてはいけない食材があります。消費者庁は「豆やナッツ類など、硬くてかみ砕く必要のある食品は5歳以下の子どもには食べさせないでください」と注意を呼びかけています。またミニトマトやぶどうなど球状の食品は、4等分する、調理して軟らかくするなどの対応が示されています(消費者庁「食品による子どもの窒息・誤嚥事故に注意!」日本小児科学会「食品による窒息 子どもを守るためにできること」)。

あわせて、食べているときは姿勢を良くして食べることに集中させ、口に入れたまま歩いたり笑ったりさせないことも大切とされています。

やってしまいがちな失敗例と、その回避法

  • 失敗1:えずいた直後に背中を強く叩く/声が出ているなら気道はふさがっていません。強く叩くとかえって驚かせてしまいます。まずは様子を見て、落ち着くのを待ちましょう。
  • 失敗2:「慣れれば食べられる」と同じ形態を続ける/毎回えずくのは合っていないサインです。回数を重ねるより、1段階戻すほうが早く進みます。
  • 失敗3:えずいたのに完食を目指してしまう/その日はそこで切り上げて構いません。えずきが不快な記憶になると、食事自体を嫌がる原因になります。
  • 失敗4:水やお茶を急いで飲ませる/えずいている最中の水分は、かえってむせにつながります。落ち着いてから少量ずつにしましょう。
  • 失敗5:月齢どおりに進めることを優先する/目安は「目安」です。お子さんの発達に合わせて調整するほうが、結果的に遠回りになりません。

なお、えずかずに食べているのに噛まずに飲み込んでいるようなら、原因も対処も変わってきます。その場合は離乳食の丸呑みはなぜ?噛まない原因と月齢別の対処法・受診の目安を参考にしてください。

受診を考えたいサイン|迷ったら小児科へ

すぐに相談・受診したいとき

  • えずきに続いて嘔吐を繰り返す、または噴水のように勢いよく吐く
  • 食後にゼーゼー・ヒューヒューという呼吸音が出る、咳き込みが続く
  • 顔色が悪い、ぐったりしている、機嫌が戻らない
  • 体重が増えない、成長曲線から外れてきている
  • 離乳食だけでなくミルクや母乳でもむせる
  • 発熱や下痢をともなう

吐き戻しや嘔吐の判断に迷うときは赤ちゃんの吐き戻し・嘔吐で病院に行く目安もあわせて確認してみてください。

緊急性が高いとき

声が出ない・呼吸ができていない・顔色が急激に変わるときは窒息が疑われます。ためらわず119番通報し、指示に従って応急処置を行ってください。夜間や休日で判断に迷うときは、こども医療でんわ相談「#8000」も利用できます。

また、体重の増えや発達については、自治体の乳幼児健診や保健センターの栄養相談でも相談できます。「これくらいで相談していいのかな」とためらう必要はありません。

まとめ|えずきは「口が育っている途中」のサインでもある

  • 6〜7ヶ月は「飲み込むだけ」から「舌でつぶす」へ移る時期で、えずきが増えやすい
  • まず確認するのは声が出ているか。出ていれば気道は確保されている
  • 原因の多くは形態・一口量・ペース・姿勢のどれか。1段階戻す調整が最短ルート
  • 硬い豆やナッツ類は5歳以下には与えない。球状の食品は4等分にする
  • 嘔吐の繰り返し、呼吸音の異常、体重が増えないなどがあれば受診を

えずくたびに親のほうが緊張してしまうと、その空気は赤ちゃんにも伝わります。「今日もうまくいかなかった」と落ち込むより、「今日はここまでできた」と切り上げてしまって構いません。進み方には大きな個人差があり、ゆっくり進むこと自体は問題ではないとされています。

この記事は公的機関が公開している情報をもとに一般的な目安をまとめたもので、個別の診断や治療方針を示すものではありません。医師による監修は受けていないため、判断に迷うときや気になる症状があるときは、必ずかかりつけの小児科へご相談ください。

【参考】
・目黒区「離乳の進め方の目安」(厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」に基づく)https://www.city.meguro.tokyo.jp/chiikihoken/kosodatekyouiku/ninshin/rinyuunosusumekatanomeyasu.html
・消費者庁「食品による子どもの窒息・誤嚥(ごえん)事故に注意!」https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_047/
・日本小児科学会「食品による窒息 子どもを守るためにできること」https://www.jpeds.or.jp/society-activities/column/proposals-assertions/50123.html

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